バテた! 野島~三浦48時間耐久釣行記
前回の予告通り、5日月曜深夜、大阪から新幹線に乗って釣り師2名がここ湘南の地までやってきました。
久々の再会を喜んでその日は酒盛り・・・ではなく飲めない我々は翌朝の「野島防波堤」渡船に向けてさっそく準備開始。本当は数時間でもちゃんと仮眠を取って備えるべきところを気が逸って・・・これが翌日まで禍根を残すとは知らずそそくさと夜中に出発。
3時現地着。渡船屋の駐車場で夜明かしです。未だに自分の老化と神経質を悟らぬ大甘な「車で眠ればよい」という出発前の考えは予想通りあっさりと放棄され、結局一睡もせぬまま野島防波堤に上陸となった次第。
「絶対座布団釣らせるから。今の野島なら渡船さえできるコンディションなら3人で5枚ぐらいはいける!」
毎度のことながら「自分が買った株は必ず上がる」調のノー天気さで安請負。現実は買った時点から下がるものですが…。しかし「カレイが釣りたいんです!」と純真にも遥々遠路やってくる客人に期待や希望を抱かせずして何がホストの役割か?上陸して竿を出し終わってもその気持ちは揺るがない。しかし冷静になって今振り返れば;
・緑がかったコーヒー色に濁る潮(あんな汚いの野島5回目の今回初めて見た)
・当日はポカポカ陽気であったがここ1週間の荒天
・渡船直後からダラダラ8時間近く下げ続ける小潮(下弦の月)
・午後からの南寄り強風、風向きと潮向きが正反対
などなど悪条件揃い。結果から言えば、恐らくこの1ヶ月間に野島に渡った釣り師中最悪の釣果に終わった次第です。要するに彼らは一番釣れない日に来てしまったようで…結果論といわずこれは記憶せねば。リベンジは記憶から始まる。
元の計画では「野島終わってもまだ明るいし、何処かへ回って第二ラウンドやろうや」という意気込みだったのが、3名とも完徹での沖堤戦、夕刻には既にヘロヘロです。自分も、午後回ったあたりからは釣れそうな気配も無いし眠りたくても眠れない沖波止場の上、とっくに気持ちは切れていました。なんとかホスト役の頑張りで持ち堪えましたが、車に戻った時点でジエンド。自宅直行「何時に起きて〇〇へ行こう」の作戦会議も無いまま、ゲスト2名に布団を用意し、自分はささっと後片付けして19時にはベッドに突撃。
起きたのは?翌日朝6時。10時間以上の爆睡です。夜明けの地合どころか通勤客が動き始める時間ですわー。階下の2名はというと同じく爆睡だったようでまだ部屋は真っ暗です。
予報も実際の天気もずっと悪い2日目の気配。うっかり「観光でもする?」と提案したら本当に釣りなんか止めて「はい、大仏行きたいです」と言い出しそうな気配を察し、7時出発をメドに準備開始。続けて野島に渡る気力も器量も無いので、まずは観音崎へ。8時前から3名各自2本出ししますがエサ取り気配も無くヒトデオンリー。しかも予報より早く雨粒が。踏んだり蹴ったりですな…。
どんどん北東風が強くなるので2時間ほどで切り上げ、風裏を探して野比方面へ。ここでも潮が濁っていたのでスルーして金田まで行き、そこで竿出し。しかしこの時点では既に北東風は準暴風状態。雨も徐々に。1本出して予想外の25センチ弱外道キスを上げた時点で、撤収。とても釣りにならない。
最後の気力を振り絞り更なる風裏、城ヶ島を目指して再移動。製氷所前岸壁で最後のトライです。
目的地に付いた頃は普段着・傘無しで歩いたら変態扱いで警察に通報されそうな雨量と強風。幸いきっちり追い風方向だったので車横付けで竿出し。
風雨が強まり、気温急低下。生体気配無し。追い風で遠投を楽しんでましたが、お昼回った時点で車に篭りやがて竿も片付けてゲスト2名の釣り見学ギャラリーに。
さすがに1~2ヶ月に1回平均でしか釣り行けないという彼らの頑張りはすごい。時間の自由だけがあって毎週のようにダラダラと「3時間フィッシング」をやっている自分の辞書には「気配無かったらさっさと止める」「たかが趣味の釣り、漁師やあるまいし無理に粘らない」しか書いてないが、彼らの雨中の粘りと集中力はフロントガラス越しに涙を誘う美しさに溢れていたのです、、、完全にずぶ濡れになった後姿が神々しくも美しい。
そして!
美しく生きる者は必ず報われる!神はいた。15時になろうかという頃、彼らの帰りの新幹線の都合もあるので撤収命令を出そうとした矢先のことです。
クロちゃんおめでとう!投げ釣り始めて2年目?3年目?多忙な飲食業店長が滅多に釣りに行けない中ようやく手にした人生初の30センチ越えカレイ!
メジャー当てたら33センチありました。サイズに関係なく、こんなに嬉しい釣果はなかったですね、本当に。自分以外に釣れれば釣り師なら誰でも多少の嫉妬と羨望を感じるものですが、このときばかりはひたすら嬉しかったですよ。1億光年の彼方まで自分自身はもう一回竿を出す気持ちにはなれなかったけど、彼らにはもう1枚何とか釣ってもらいたいと、あと1時間、限界まで頑張ってもらいましたが、やはり劇的なストーリーに続編は不要というわけで、この1枚で納竿です。
釣りは粘りですね・・・。寒いわ寝不足(寝過ぎ?)だわでヘロヘロ状態の1本竿で釣っていたわけですが、それが結果的に殺気を消し去り奏功したのかもしれません。
最後は3名で少しキャスティング練習。自分とて「モダン投げ釣り」は所詮1年の若葉マークキャリアですが、14歳でHキューバや日本号を振っていた時代と経験の名残でそれなりのキャスティング理論はあって。で彼らにキャスティングの秘訣やヒントを伝授。
「大物釣り師である以上、まず距離より正確性、というストイックさが不可欠。正確性(フォーム)が身に付けば距離はおのずと出るようになる」
「振る、回すはグラスロッド時代の豪腕流。今のカーボン反発力は”利き腕で押すこと”で竿が飛ばしてくれる」
「飛ばしたい欲望ばかり先にたつと竿が風鳴りするばかりの遠心力投法になり、オモリが乗らないからアカンよ」
「正確に投げられないとその時間的ロス、お祭りなどの物理的ロスは計り知れない、ぐっとこらえてまず思った場所に投げられるようになるまで強振は封印せよ」
と。
自分も完全我流でなかなか壁を越えられないわけですが、ほぼ35年ぶりに仕掛を付けずにオモリだけで何投もキャス練習、充実のひと時で帰路に着いたのであった、、、です。
教訓。徹夜はダメ。車で眠れない気質の者は無理をせずしっかり眠ってから出撃すること、です。ガキ時代のように徹夜マージャンの体力自慢や、若さをつい誇りたくなる男子特有のアホさが残ってる限りは「枯れた一流釣り師」にはなれないと悟った次第です、その意味ではこういう稀少な機会を与えてくれた2名に大いに感謝。
遠からず彼らの分まで野島~三浦のカレイは単身リベンジを果たす所存です。この結果ではまだまだ「尺キス」狙いに転戦出来ません。
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コメント
nzさん
先日はお世話になりました。 nzさんの敏速で的確な状況判断で人生初の30オーバーのカレイを釣る事が出来ました。
あの時は本当に涙が出る位嬉しかっです、ありがとうございました。
半年後は座布団級を釣りあげるべくキャスティングフォームや仕掛け、その場に応じたラインの選択など、もっと勉強して望みたいと思いますのでその時は宜しくお願いします。凄く勉強になり、投げ釣り人生で思い出に残る良い遠征でした。
投稿: クロちゃん | 2010年4月15日 (木) 00時59分